音楽と人とのつながり

幼少の時に母の手ほどきでピアノを始めた私は、物心ついた時には、何の抵抗もなくピアノを演奏していたように覚えています。「わかば会ピアノ研究会」の名前の由来は、その母が毎年若葉の薫る頃に発表会を行っていたことにあります。

順調にピアノを学んでいた私でしたが、中学1年生の時に出会った先生が、更に私を本物の音楽へと導いてくれました。その先生はドイツ留学から帰ってこられたばかりで、中学生の私にも、ごく自然にドイツ語で曲の表情の説明をして下さいました。レッスンを毎回録音し、一文字一句残さず楽譜に記し、できるようになるまで練習したことを覚えています。

高校では幸いにもチェコ人の教授につくことができ、口では説明できない民俗のリズムの遊びを体感することができました。

そんな私も、一度は一般大学への進学を志し勉強に勤しむ時期があったのですが、「音楽こそが、人々を救う最適の手段だ。」と思い切り、音楽大学へと進みました。

在学中には数多くのコンクールやオーディションに参加し、たくさんの演奏の機会を与えられましたが、大学院終了後は就職。人生の模索が再び始まりました。

「いつも更に上を目指していないと、現状を維持するだけでも精一杯だ。」と感じていたことから、留学を決意し、6年間に渡るドイツ留学生活が始まりました。ついた教授は、ドイツ語を理解できないとついていけない方でしたから、まずは言葉をとことん勉強しました。そしてそのレッスンは、できるようになるまで帰してくれないレッスンでしたから、練習時間も半端のない日々でした。現在の私があるのは、この6年間のおかげと言っても過言ではないと思います。

結婚、出産、2児の子育て、そして介護に奮闘しながらも、いつもそこにはピアノがあり、音楽があります。

音楽を人生の糧に、そして生きるエネルギーの源になるよう、皆さんと共に育っていきたいと思っています。